良質な油シリーズ② 知ってる?健康効果抜群!オリーブオイルの使い方

オリーブオイルが健康にいい油だと言うことは、広く知れ渡っていますね。

イタリアやスペインの地中海沿岸の食習慣「地中海食」が日本で広まり

そこから始まったオリーブオイルブームですが

今ではオリーブオイルは食卓に定着しつつあります。

日本では大きく分けて2つのオリーブオイルが売られています。

  • エクストラバージンオリーブオイル
  • ピュアオリーブオイル

この2つの違いをご存知でしょうか?

健康効果を上げるため、オリーブオイルの適切な使い方をヘルスコーチが解説します。

目次

オリーブオイルってどんなオイル?

今や全世界から愛されているオリーブオイル。

色んな種類のオリーブオイルが店頭に並んでいますね。

オリーブオイルは、他の植物油と大きく違う点があります。

他の植物油は「種から油をしぼる(シードオイル)」なのに対し

オリーブオイルは「実から油を取った」油なのです。

オリーブオイルは地中海食の中心的要素のひとつですね。

その地中海食は世界で最も健康に良い食事法の一つと言われており

2012年にはユネスコの「無形文化遺産」として認定されています。

オリーブオイルの健康効果は世界で認められているんですね。

では、そんなオリーブオイルとはそもそもどんなオイルなのでしょうか?

オリーブオイルの歴史

オリーブオイルの歴史はとても古く、人類がはじめて口にしたオイルだと言われています。

紀元前5000年以上前から食べられるようになったと言われていますが、

アフリカ大陸の遺跡(紀元前5万3千年)からはオリーブの葉が見つかっているので、正確には誰も分からないそうです。

紀元前3世紀頃のローマ帝国時代では、すでに人々の生活に取り込まれており

美容・食用・燃料と生活の必需品でした。

ローマ帝国が栄えていた時期には「穀物」「ぶどう酒(ワイン)」そして「オリーブオイル」

が当時の三大生産物となっていました。

ある時代から、オリーブの栽培が地中海を超え、アメリカやメキシコ・西インド諸島にも伝わりました。

オリーブオイルを世界に広げた人物こそ、コロンブスだと言われています。

エクストラバージンとピュアオリーブオイル

日本で一般的に食用として販売されているオリーブオイルは

  • エキストラバージンオリーブオイル
  • ピュアオリーブオイル(オリーブオイルとだけ書かれている場合もあります。)

に分けられます。

エキストラバージンオリーブオイル
絞ったままの「バージン・オリーブオイル」を

香り・味・酸度(酸価)などの項目を分析・評価をし

認められたものだけに与えられる名前です。

オリーブオイル特有の豊かな香りと味わいが特長で

オリーブオイルに含まれている栄養素をそのまま摂取し、風味や味を楽しむことができます。

一般的には、熱を加えず生で料理にかけて味わう食べ方が好まれます。

■ピュアオリーブオイル
「精製オリーブオイル」と「バージン・オリーブオイル」をブレンドしたオイルです。

精製オリーブオイルとは「バージンオリーブオイル」の基準に満たなかったオリーブオイルを

精製加工したオリーブオイルのことをいいます。

エキストラバージンオリーブオイルに比べると味や香りが控えめで、マイルドな風味が特徴で

オリーブオイル特有の香りが苦手な方でも食べやすいオイルとなっております。

一般的には、焼く・炒める・揚げるなど、加熱調理の油として好まれています。

オリーブオイルの特徴

オリーブオイルには「オメガ9オレイン酸」が多く

他にも「ビタミンE」や「ポリフェノール」が含まれています。

なによりオリーブオイルの一番の特徴は

人間に必要な脂肪酸がバランスよく含まれていることです。

オリーブオイルをたくさん使う地中海地方では

オリーブオイルと一緒に「緑黄色野菜」「魚介類」や「ワイン」などの摂取も盛んです。

この地方に住む人々は心臓病による死亡率が低いということが分かっており

その理由には、オリーブオイルが関与している事が明らかになっています。

健康のためにオリーブオイルをかけてサラダを食べると良いと言われるのは

野菜などに含まれる脂溶性ビタミンを摂取しやすくなるからです。

ビタミンには13種類あり、脂溶性ビタミンが4種と水溶性ビタミンが9つにわかれます。

脂溶性のビタミンは言葉の通り、油に溶ける性質があります。

オリーブオイルをたっぷりかけて食べることで、油で溶けた脂溶性ビタミンを

体内に吸収しやすくなります。

地中海地方の人が健康なのは豊富な食材を使った料理にオリーブオイルをかけることで

栄養を余すところなく摂取しているからなんですね。

オリーブオイルの効能は?

オリーブオイルがどんなものか大まかに分かっていただけたかと思います。

次はオリーブオイルのより詳しい効能や栄養素を見ていきましょう。

オリーブオイルの成分

オリーブオイルの主成分となっているのは「オメガ9オレイン酸」です。

約75%程度がオレイン酸で、酸化しにくいオイルだといわれています。

また、酸化を防ぐビタミンEやポリフェノールが含まれているため、安定した栄養素を誇ります。


オメガ9脂肪酸は体内でも作ることができますが

それだけでは不足することもあるため食事による摂取が推奨されています。

オリーブオイルにはオレイン酸の他にもオメガ3、オメガ6脂肪酸も含まれていて

  • オメガ6(リノール酸)
  • オメガ3(リノレン酸)
  • オメガ9(オレイン酸)
  • 抗酸化物質

これらがバランス良く含くまれています。

世界には数多くの油が存在していますが

オリーブオイルほど厳しく規格の決まっている油はなく

世界的にオリーブオイルに対するこだわりが伺えますね。

脂肪酸以外の成分

オリーブオイルには脂肪酸以外にもたくさんの栄養素が含まれています。

■フェノール化合物(ポリフェノール類・フェノール類)
 抗酸化作用があると言われているポリフェノールです。

「オレオカンタール」や「オレウロペイン」といった、オリーブオイル独自の成分も含まれています。

オリーブオイルの苦味・辛味はここからきています。

■トコフェロール(ビタミンE)
 美容成分としてもよく知られる、抗酸化作用のある成分です。

■クロロフィル
 オリーブオイル独特の緑色を構成する成分です。抗酸化作用があります。

■植物ステロール類
 「β-シトステロール」などの植物性のステロール類です。

コレステロールの吸収を阻害する作用があるとされ、

特定保健用食品の有効成分としても利用されています。

病気予防に効果的

オリーブオイルの主成分である、オメガ9オレイン酸は

不飽和脂肪酸の中では安定した脂肪酸といわれており

「悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールは減少させない」働きがあるため、

動脈硬化や心筋梗塞・高血圧などの生活習慣病の予防に効果があります。

さらに、オレイン酸には皮膚を柔らかくする効果があり

気になる角質や乾燥による小じわなどを抑制・改善することにも効果が期待できます。

他にも、オリーブに入っている特長的なポリフェノールとして、

「オレウロペイン」や「オレオカンタール」という成分があります。

特にオレウロペインというポリフェノールは、抗酸化力が高く

「血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの血管系の疾患を予防する」と言う研究結果も
報告されています。

そのほかにも、抗菌・抗ウイルス作用があり、

体を病原菌から守ったり、体内の免疫組織を活発にする効果があると言われています。

これらのポリフェノール類は体内で蓄積されないので、毎日摂取する必要があります。

毎日大さじ1杯を目安に、エキストラバージンオリーブオイルを摂取しましょう。

オリーブオイルの使い方は?

オリーブオイルの有用性はすでにご存じの通りです。

ではどのように摂取すると高い効果をえられるのでしょうか?

使い方や注意点をご紹介します。

加熱してもいい?

オイルには一定以上の温度を加えると煙が出て、酸化してしまう発煙点というものがあります。

オイルによって様々ですが、一般的な植物油の発煙点が220~230℃以上なのに対して
エキストラバージンオリーブオイルは、177℃から208℃と少し低めです。

弱火や中火での加熱は可能ですが、風味豊なエクストラバージンを長時間加熱してしまうと

その豊かな風味が損なわれる場合があります。

そのためオリーブオイルの香りを楽しみたい場合は

エクストラバージンを出来上がった料理にかけて生で食べる。

逆にあまりオリーブオイルの香りをつけたくない場合は

ピュアオリーブオイルを使う。

というように分けて使うほうが、自然と言えます。

地中海沿岸諸国では、オリーブオイルはそのままで食される場合が多いといいます。

発煙点を超えてしまった油は、神経組織や肝臓細胞にダメージを与える物質を発生させる危険性を伴っていますので

油を高温で熱したり、長時間加熱しないように注意が必要です。

オリーブオイルは加熱による酸化に対して強い性質を備えているとされており

危険物質を発生させる恐れが、他の油脂に比べて少ないのが特徴です。

一般的な食用油は、酸化を防ぐために160℃以上に加熱しないようにといわれていますが、

オリーブオイルなら180℃程度でも加熱時間が長くならなければほとんど酸化しないといわれています。

安全性を考えるなら、摂氏180℃ほどで長時間、煙がでるほど加熱しないことが大切ですね。

注意点

オリーブオイルの保存方法ですが

未開封で冷蔵庫で保管された場合は、しばらく室温に置いてから開封してください。

開封後も頻繁に冷蔵庫への保管を繰り返す事は、あまり好ましくありません。

またオイルを冷蔵庫で保管すると、オイルが凝固してしまいます。

冷蔵庫へ入れなくても、光のあたらず温度変化の少ない涼しい所へ保管すれば十分です。

コルク栓は通気性があるので、オイルの変質を早める原因になります。

少量ずつ使う量だけ入れるような場合を除き、保存の際はコルク栓ではないものを選びましょう。

まとめ

地中海料理で有名になり、健康効果が全世界で認められているオリーブオイル。

古くから美容や健康維持に活用されてきました。

オリーブオイルをたくさん使っている地中海地方の人は、認知症や心臓病などのリスクが少ないことが分かっています。

オメガ6オレイン酸が主成分で、他にもポリフェノールやビタミンEを含んでいます。

他の油と比べて脂肪酸のバランスがいいのが特徴です。

エクストラバージンとピュアが売られていますが

加熱する温度や調理法によって使い分けることをおススメします。

エクストラバージンは風味豊かなオイルですので、出来上がった料理に生でかけて食べるのが一番理想の食べ方です。

日常生活に良質なオイルを足して、健康な体を目指しましょう。

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